アイルランド情報

始めに・・・

  一般的に「アイルランド」というと「アイルランド共和国」のことをいいます。よく「アイルランドってあぶないんでしょ

う?」という言葉を耳にしますが、それは新聞をにぎわす「北アイルランド問題」の情報に基づきもたれた知識です。

ここでは「アイルランド」というのは「アイルランド共和国」として話を進めます。アイルランドは小さな島国ですが、

その中で二つの国に分かれています。北アイルランドは、The Great Britain Of United Kingdom And The Northern

Ireland(いわゆるU.K.)に属しています。ここには歴史的背景が複雑にからんでいます。決してアイルランドは爆弾

が好きなわけでもなければ、無差別に人を殺すようなところではありません。確かにいまだ問題は若干残ってい

ますが・・・(IRA関連で「父の祈り」という映画をおすすめします)。「南」と称されるアイルランドは現在いたって

平和な国です。アイルランドはユーラシア大陸をはさんで日本のお隣さんです。まさに地球の裏側、時差が9時間

(サマータイム時は8時間)と遠いようですが島国であり、とても日本と近いところもあります。このH.P.を通して

少しでもアイルランドを知らない方が身近に感じてくだされば幸いです。

 

アイルランドのシンボル

アイリッシュハープ

  アイリッシュハープはわりと小さく、脇に抱えて演奏します。現存する最古のも

のはダブリンのトリニティカレッジの図書館に保存されています。フレームが木で

できていて神話に出てきそうなかわいらしいハープです。

 

 

シャムロック(しろつめ草)

   

シャムロックはSt.Patrickがアイルランドにキリスト教の福音をもたらした時に「三位一体」

の教義を説明するのにどこにでも生えていたシャムロックを使ったといわれており、それゆえに

シンボルとなったものです。ちなみに「三位一体」とは「天の父なる神」「神のみ子イエス・キリスト」

「人々の心に宿る聖霊」の三つで一体、すなわち同じものであるということです。シャムロックの

3枚の葉(?)でひとつの形となるとSt.Patrickはといたと伝えられています。

国旗

 

国旗の緑は「カトリック」、オレンジは「プロテスタント」、白は

真中でカトリックとプロテスタントの間に平和と愛が持たされる

ようにという願いがこめられています。

 

国歌(ゲール語バージョンも本来はあります)

今流れている曲です。

The Soldier's Song

 

We'll sing a song, a soldier's song,

With cheering rousing chorus,

As round our blazing fires we throng,

The starry heavens o'er us;

Impatient for the coming fight,

And as we wait the morning's light,

Here in the silence of the night,

We'll chant a soldier's song.

Chorus: Soldiers are we whose lives are pledged to Ireland;

 

Some have come from a land beyond the wave.

Sworn to be free, No more our ancient sire land

Shall shelter the despot or the slave.

Tonight we man the gap of danger

In Erin's cause, come woe or weal

'Mid cannons' roar and rifles peal,

We'll chant a soldier's song.

 

In valley green, on towering crag,

Our fathers fought before us,

And conquered 'neath the same old flag

That's proudly floating o'er us.

We're children of a fighting race,

That never yet has known disgrace,

And as we march, the foe to face,

We'll chant a soldier's song.

 

Chorus

 

Sons of the Gael! Men of the Pale!

The long watched day is breaking;

The serried ranks of Inisfail

Shall set the Tyrant quaking.

Our camp fires now are burning low;

See in the east a silv'ry glow,

Out yonder waits the Saxon foe,

So chant a soldier's song.

 

Chorus

(訳はそのうちに・・・ちょっと待ってね。)

 

 

アイルランドってどこにあるの?

アイルランド島はユーラシア大陸の北西にありブリテン島の隣にあります。ロンドンから飛行機でダブリンまで

1時間くらいです。ダブリンはアイルランドの首都で島の南東に位置しています。日本からヨーロッパ経由で行くと

ダブリンが玄関になります。

 

 

アイルランドの大きさは?

アイルランド島の全面積は84,421平方キロメーター、アイルランド共和国は70,282平方キロメーターありま

す。この島の大きさはほぼ北海道に相当します。

 

天候は?「一日の中に四季がある」といわれるくらいお天気は変わります。これは高い山がないからだそうです。実際に私が

行った時(2001年2月末)は約1週間の滞在にもかかわらず、晴れ、くもり、雨、雪、虹・・・とすべてを体験しまし

た。時期的には「これがアイルランドだと思わないでほしい」といわれるくらい最悪(私はそう思わなかったけれど)

の時期だったので寒かったですが温暖なメキシコ海流のおかげで北海道より北にある割には寒さを感じませんで

した。夏は暑すぎず、冬は東京なみの寒さと言った感じでしょうか?本来、雪は冬でもまれだと言われるくらいです

が私は雪のため飛行機がキャンセルになり一日多く滞在できました。1,2月の最も寒い時期で4℃から7℃くら

い、7、8月の最も暑い時期で14℃から16℃くらいです。雨はよく降りわりとどんよりした日が多いそうですが

私のいたときは青空が多かったです。

 

人口

1996年の調査によると3,626,087人です。この人口はほぼ静岡県の人口と同じくらいです。よく、羊の数のほうが

人口より多いといわれますが、そのとおりだと思います。ちなみに面積が同じくらいの北海道で人口は5,692,217人

(1999年)ですからどれくらい人口が少ないかは想像できると思います。首都であるダブリンもけっして込みごみ

した感じではないし、東京の繁華街(新宿、渋谷など)より規模は小さい感じです。そのダブリンに人口の1/3がいる

といわれていますから、他の地域がどのようなものかはおわかりでしょう。人口で最も多いのは16歳から25歳以下

で47%をしめています。次が15歳以下で24%です。ところがアイルランド系といわれる人々は全世界で約7000

万人(ちなみに日本は13、000万人)いるといわれています。これは19世紀から20世紀の移民の結果です。

しかしながら、今アイルランドは歴史上初めてと言われるくらいの好景気に見舞われており、人が戻りつつあるそう

です。

 

言語

第一言語はゲール語(アイルランド語)で、第二言語が英語です。独立後、独自性を出すために文学、文化、言語をアイルランド本

来の姿に戻そうとする働きがあり、その上で決められましたが、イギリスに長年支配されていたため、ほとんど

英語を話すようになっていました。実際に一般家庭では英語を使っていることが多いようですが西(アラン諸島、

ゴールウェイなど)ではゲール語を普段使っているところもあるそうです。アイルランド英語は米語、イギリス英語

とアクセントや表現が若干違うのでわかりづらく感じるかもしれませんが、少し慣れてくると日本人にはむしろわか

りやすく感じられるようです。私はアイルランド英語は平たく、カタカナ発音に近いと思います。

 

アイルランド人

一般的にアイルランド人は陽気で、人懐こく、寛容で踊ったり、歌ったり、お酒が大好きな国民として知られていま

す。私は知り合いのアイルランド人々を見ていて、さらにいくつかの言葉を付け足したいと思います。それは、「賢

く、忍耐強く、機転が利き、そして勇敢である」ということです。アイルランドは始めにバイキングに攻撃をうけ、支配

され後に700年間もイギリスの支配下にありました。そのうちの400年間は総督がアイルランドにいて実際に常に

統治されていたわけです。自分たちの土地でありながら、自分たちのものとすることができず、20世紀になり初め

て手に入れました。独立自体決して安易ではありませんでしたが彼らは代々そのときを待ちつづけたのです。

実生活は支配されても、心は決して屈することはなく、まさに不屈の精神の人達です。19世紀に大規模な飢饉が

おき、またそれ以前から続いていたイギリスによるカトリック教徒の迫害(映画「エリザベス」は参考になります)。

19世紀800万人いたアイルランド人は死か移民となるかという選択肢しかほとんど残っていなかったことでしょう。

数十年後には半分以下まで人口が減っています。それだけを思っても現在アイルランド人として残っている人々の

祖先はその困難を乗り越えてきたと言えるわけです。尊敬すべきことではないでしょうか?その上での独立です。

日本も同時期に第二次世界大戦でアメリカに負け、支配を受けています。しかし、その中で現在愛国心のある人

がいるのでしょうか?正直言って私もありません。しかし、アイルランド人は現在20歳前後の若者までもが愛国心

をもっており(もちろん全員ではないでしょうが)アイリッシュであることを誇りに思っています。これがアイリッシュの

素敵な部分であり、痛みを知っているから優しい人が多いのだろうと私は思います。

 アイルランド文学を知っていますか?

 アイルランド は音楽だけでなく文学でも有名な国です。中世期には「聖人と賢者の島」と称されるくらい才能に

あふれた人が多くいます。近代でも W. B. Yeats (1923 ), Gorge. B. Shaw(1925), Samuel Beckett (1969)and

Seamus Heaney(1995)の4名がノーベル文学賞を受賞しています。また、イギリス統治時代にイギリス文学とみなさ

れいた中にもアイルランド人はいました。たとえば, Oscar Wild(幸福な王子), J. Joyce( Ulysses ), Jonathan

Swift( ガリバー旅行記 ) などが同様に有名です。少ない人口の中でこれだけの人物を排出してきたということは

すばらしいことではないでしょうか?ちなみに「風とともに去りぬ」のマーガレットミッチェル女子も移民したアイルラ

ンド人です。

 

 

 

 

 
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